美勇伝握手会・残酷物語 第2話 〜想いよ、伝われ。〜
ステージ上のヲタ達に、時には笑い、時には泣き、
そして、ゆいやんの優しさに感動した待ち時間。
(http://d.hatena.ne.jp/Titus/20050614)案外と心地良かったそんな待ち時間も、あっという間に過ぎ去り、いよいよ、メンバー達が待つステージへ。
そこで、タイタスが見たものは・・・・。
いよいよ、席を立ち、まずは、1階フロアへ。フロアであるから、当然、メンバーたちの姿が見えるはずもない。にも関わらず、階段を降りきって、フロアに地を付けた瞬間、体中にビビッと電流のようなものが走るような感覚に襲われた。とにかく、それだけ、気が高ぶっていた。そうなるのも無理はない。何せ、梨華ちゃんとは4年ぶりの握手となるのだから。フロアに着いた瞬間、途端に口数が少なくなる俺たち。しかし、プレッシャーに押しつぶされたくなかったのか、互いの口が完全に閉じきることはなかった。とにかく、しゃべることは忘れなかった。何かしゃべってなければ意識が飛んでしまう。まさにそんな感じだった。
フロアに降り立って1分後、ようやく、メンバー達のいる会場内へ。どんどん列が進むたびにくっきりとメンバー達の姿が鮮明に!「あばばばばばばばばば」もはや、理性はほぼ消失し、どこかで聞いたことのある奇声を発するしかできなくなってしまった。しかし、残りわずかな理性を頼りに、俺は、梨華ちゃんに伝えたい一言を胸に刻むべく、念仏の如く、なんべんも復唱した。あのことだけは、ちゃんと、伝えておきたかったから。
さて、いよいよ、梨華ちゃんと同じ地を踏んだ。自分でも不気味なくらいに、心中、穏やか。これが、明鏡止水とでも言うのであろうか。とにかく、気持ちは落ち着いていた。
そして、梨華ちゃんの眼前へ。変わってない、4年前のあのときと・・・。あのときのチャーミングをそのままに、たっぷりとエロスをまぶした梨華ちゃんが、いま、まさに俺の目の前に降臨していた。なんと、神々しい・・・。そのまばゆさを噛みしめながら、俺は、力を振り絞って、渾身の一言を放った。
「さりげなく、愛してます。」
さりげなく、愛している。
そう、それこそが、俺の、梨華ちゃんに対するスタンスそのものなのである。みなさんのご存じの通り、私は亀井絵里をメインに推して、日々、ハロヲタ人生を歩んでいる。しかし、ある時間帯に差し掛かると、無性に梨華ちゃんのエロスで脳内がいっぱいとなり、突発的に梨華ヲタと変貌する。
名付けて、「夜だけ梨華ヲタ」。
絵里に己の全てを捧げる傍ら、私は、絵里の見えないところで梨華ちゃんを愛していたのである。
さぁ、この想い、果たして、彼女に伝わったのか?
恐る恐る、梨華ちゃんを見つめてみると・・・
一瞬、言葉を詰まらせ、驚きおののき、
そして、
「ありがとう!」と、満面の笑みで応えてくれた!
彼女が言葉を詰まらせたのは、俺のストレートな想いを良い意味で受け止めてくれたのか、はたまた、単に引いただけなのか、そのうちのいずれなのかは、はっきりとは断言できない。端から見ると、ずばり、後者なのだろうけれど、そのときの俺は、とにかく、天にも昇る気持ちでいたから、そんな冷静な判断は持ち合わせていようもなく、マノウォーのTシャツがはちきれんばかりに、自分勝手に、胸がいっぱいになっていたのである。
しかし・・・。
<続く>