スーパーお芝居スクールランブル 〜お猿さんだよ、播磨くん!〜(7月25日公演@全労済ホール・夜公演)


 まずは、全体的な所感から。
 第一部について言えば、基本的に原作のエピソードを選りすぐっての演劇になっていましたが、原作を見ている人じゃないと飲み込めない内容になっていたのではないかなぁ、という印象を受けました。アニメを一通り見ている自分にとっては、原作との対比できてなかなか楽しめたので良かったのですが、新規のお客さんが果たして付いていけたかどうかは疑問なところです。まぁ、当公演を見ていたお客さんの大半は原作ファン層なのでしょうから、態勢的には影響は無かったんでしょうけどね。新規のお客さんの救済策としての機能を余り果たしてなかった感があります。


 第一部で各々のキャラクターを振り返り、ようやく、オリジナルストーリーである第二部へと展開していくのですが、オリジナルストーリーについても急な展開が災いしてどうも事態が飲み込めないところが出てしまって、理解に苦しむ箇所が出てきたり・・・。出演者自身の楽屋ネタに転じたりしたところは、正直、付いていけませんでしたし、オーラスのオチも弱かった感じがします。第一部、第二部共に、どうも駆け足っぽいイメージがして、脚本的には馴染めなかった印象があります。


 しかし、出演者自体について言えば、軒並み素晴らしかったです。私自身、アニメひいては漫画を原作にした演劇鑑賞は初めてな経験であり、観賞デビューにあたる当公演に参加するにあたり一番不安であったのは、「原作キャラのイメージをどこまで再現できるか。」というところだったわけです。しかし、いずれの出演者も、原作のキャラクターを十二分に演じていて再現度について言えば、文句なしの合格点を挙げたいぐらいのクオリティ。演劇に臨むにあたり、それぞれが演じるキャラクターなりを、相当、研究しているところがひしひしと伝わってきて、見ていて楽しいものがありました。


 MVPは、播磨拳児の中の人、高橋広樹氏。もう、播磨がそのまんま三次元の世界に飛びてたんじゃないかってぐらいにクリソツ!キャラクター、演技、コス、いずれとも、120%の再現度!「高橋氏自身、アニメでも播磨拳児役をやっていたから当たり前じゃないか。」と言われても当然ですが、その一言じゃ済まされないぐらいのインパクトがあったんですよ。高橋氏については、もう、大満足!天満ちゃん役の小清水タン、プリプリな演技、可愛かった♪生まれて初めて、萌え系声優さんの声を直に聴いたんですけど、やばい、マジでやばい!ほんとに可愛いんですから!声優ヲタさんがはまっていく理由がわかりましたよ、ほんとにw 他には、八雲役や高野役、一条役も素晴らしかったなぁ。


 とまぁ、出演者の再現度について言えば文句なしでしたし、スクランらしい笑いも随所に感じられて楽しかったところもありましたが、それだけに、どうしても脚本の弱さがどうしても悔やまれます。